元はといえばお前が持ち込んだやっかい事だろう。


俺の手から懐中電灯が奪われ、その光が暗闇の中の陶器を浮かびあがらせた。


まずは足元を作れというのだ。


もちろん、上段に立って入れるわけがない。


膝と手をついて、ハイハイの状態で陶器を退かしながら奥へと進む。


時々、自分じゃ見えない足に陶器が当たってはヒヤリと息を飲む。


「神崎、ライトで上を照らしてくれ」


そう言うと、少し距離があるためにぼやけた頼りない光が、白い壁を伝って上へと移動する。


「あったぞ!」


思わず声を上げてしまい慌てて口を塞ぐ。


光の中に、白い箱に黒いスイッチがいくつも付いているような形のブレーカーが見える。


「全部落としてくれ」


神崎の言葉に頷き、俺は手を伸ばした……。