しかも語尾が『にゃん』ときた。


「寝起き一発目にきつぅい一発をくらわせてやろうか?」


「あ、いや、ごめん」


俺が拳を突き出すと、慌てて離れる神崎。


さっきの目覚まし時計を見てようやく、「もうこんな時間か」と真剣な表情になる。


「あの部屋にはカギがついてるんだ」


「へ? カギ? お前そんな事一言も言わなかったじゃないか」


「監視カメラが付いてるのにカギがついてないわけないだろ」


当然だろ?


そんな表情の神崎に、俺は一つ頷いてしまう。


確かにその通り。


「っていうか、何で言わないんだよそれを!」


「言わなきゃいけなかったか?」


「当たり前だろ? もう一時間しかないんだぞ、どうするんだよ」


「どうって言ってもなぁ」


う~ん、とうなり声を上げて首を傾げる神崎。


俺はマクラをつかんで神崎へ投げつけた。


それを当たる手前でキャッチして、頬をゆるませている。


どこまで能天気なんだこいつは。