☆☆☆
人間、この時間になにかしよう。
という考えを持っている時や、何かをひたすら待っている時は、時の流れがカメのようにノロくなって感じる。
俺は何度目かの時計のチェックをした。
さっきから30分も経っていない。
「夜はまだまだこれからだぞ」
そんな俺に気付いて、テレビに夢中になっていた神崎が言った。
ずっと何もない部屋にこもっていては怪しまれるので、今は二人でリビングにいる。
大理石のテーブルを真ん中にして、コの字形の白いソファが置かれている。
ダイニングルームにあったしっかりした肖像画より、もっと優しい色合いの、ピンボケしたような絵が飾られているため、今は視線も感じない。
だけど、大型液晶テレビの両端に置かれている女の裸体の石膏は、目のやり場に困ってしまう。
正直、神崎の父親の趣味を疑いたくなるような、統一性の無い屋敷だ。
「なんか落ち着かないな」
色々な意味を込めて言うけれど、神崎は返事をしない。
テレビでは有名なホラー映画をしていて、グロテスクなシーンがさっきから繰り返されている。
食後に見るものとしては最悪だ。
「録画もしてるんだから返事くらいしろよ」
人間、この時間になにかしよう。
という考えを持っている時や、何かをひたすら待っている時は、時の流れがカメのようにノロくなって感じる。
俺は何度目かの時計のチェックをした。
さっきから30分も経っていない。
「夜はまだまだこれからだぞ」
そんな俺に気付いて、テレビに夢中になっていた神崎が言った。
ずっと何もない部屋にこもっていては怪しまれるので、今は二人でリビングにいる。
大理石のテーブルを真ん中にして、コの字形の白いソファが置かれている。
ダイニングルームにあったしっかりした肖像画より、もっと優しい色合いの、ピンボケしたような絵が飾られているため、今は視線も感じない。
だけど、大型液晶テレビの両端に置かれている女の裸体の石膏は、目のやり場に困ってしまう。
正直、神崎の父親の趣味を疑いたくなるような、統一性の無い屋敷だ。
「なんか落ち着かないな」
色々な意味を込めて言うけれど、神崎は返事をしない。
テレビでは有名なホラー映画をしていて、グロテスクなシーンがさっきから繰り返されている。
食後に見るものとしては最悪だ。
「録画もしてるんだから返事くらいしろよ」