もちろん、俺だってな。


最後のは心の中で思っただけで、声には出さない。


そして体勢を戻して神崎へ笑顔を向けた


「だけど驚いたなぁ、神崎が巨乳好きだったなんて。なんか、もっとスレンダーなお嬢様系が好きな奴だと思ってたのに」


今の一瞬で見たものを思い出しながら、神崎をつつく。


神崎は床に胡坐をかいて座り、俺も向かい合うようにして座った。


「ハジメはどんな子が好きなんだよ?」


男が二人揃えば必ずこんな会話になってくる。


だけど、こんな話ができるってことは、相手を自分のテリトリーに入れても大丈夫だと安心しているからだ。


さっきのファミレスの一件で、俺も随分神崎を受け入れる体制になっていた。


俺はスナック菓子の袋を開けながら、少し考える。


そういえば、俺の好みってなんだろう? 咲田のGカップ? 妹の優奈みたいに可愛い系? 


「う~ん……たぶん、好きになった子が好みなんだと思う」


考えあぐねが結果、そんな答えになってしまった。


今まで恋愛らしい恋愛なんてしたことがないのだから、仕方ない。


それは学校の中を、他のクラスメートたちとはぐれないように必死で泳ぐだけで精いっぱいなんだ。


そういう性格なんだ。