言いながら、慌ててメモ帳に『監視カメラあり』と書き加える。


その姿が可愛くて、つい頬が緩む。


これでは完璧にシスコンだ。


神崎に言われたワケではないが、俺は自分でそう認めることにした。


シスコン上等。


妹想いで何が悪い。


文句があるならかかってこい。


俺にそんなことを思われているとは知らず、優奈は腕組みをして「う~ん」とうなり声を上げている。


「ちなみに」


俺と優奈の間に割ってはいるように、神崎が口を開いた。


「両親がいない間は家政婦が一人家にいる。泊り込みでな」


「24時間の監視カメラと家政婦か……」


「その難問を突破しなきゃ部屋へは入れないワケね」


更なる問題勃発に、探偵モード復活の兆し。


「家政婦さんは、なんとかなると思うわ」


「なんで、そう思うんだ?」


「だって、家政婦さんって人間だもの。今日の夕方から明日の昼まで、ずっと起きてるワケじゃないわ。寝るし食べるしトイレにも行くでしょ。もし見つかっても、相手が人間ならごまかせる可能性もある」


「なるほど。問題は、人間じゃない監視カメラの方か」


「そ。だけど……」


「だけど?」


「それをごまかす方法もあるわ」


自信満々に言う優奈に、俺は一瞬目を大きくする。