☆☆☆
ファミリーレストランの一番奥の四人席。
俺と神崎はオレンジジュースで、優奈だけメロンクリームソーダを注文した。
それぞれの飲み物で喉の渇きを潤してから、優奈が一旦座りなおし、口を開いた。
「それでは、作戦会議に入りたいと思います」
キビキビとした口調で言い、手帳とペンを取り出す優奈。
ショートカットの髪が真上の電気に照らされて、天使の輪を作っている。
気分はすっかり探偵モード。
末は金田一耕助かホームズか。
どちらにしても、客からはしっかり金を取るんだぞ優奈。
心の中で妹を応援しながら、優奈の手元を見る。
「神崎邸……秘密の扉大作戦?」
手帳に書かれたあまりにも捻りのないタイトルに、俺は呆れた声を出してしまう。
「そうよ、何か文句ある?」
「いえ、別にないです」
一瞬睨みをきかせてきた優奈に、俺は思わず敬語を使ってしまう。
それを見て、隣にいる神崎が俺のわき腹をつついてきた。
なにが言いたいのか聞かなくても、その表情を見ればわかる。
悪かったな妹に弱くて。
俺の言いたいことはすぐに理解できたらしい、神崎がヒョイと肩をすくめてみせた。
「神崎流星君!」
「あ、はい!」
優奈の大声に神崎は大きな体ろビクリと跳ねさせて、背筋を伸ばした。
「あなたの家に、入ったこともない部屋がある、ということは間違いのない事実ですね?」
ファミリーレストランの一番奥の四人席。
俺と神崎はオレンジジュースで、優奈だけメロンクリームソーダを注文した。
それぞれの飲み物で喉の渇きを潤してから、優奈が一旦座りなおし、口を開いた。
「それでは、作戦会議に入りたいと思います」
キビキビとした口調で言い、手帳とペンを取り出す優奈。
ショートカットの髪が真上の電気に照らされて、天使の輪を作っている。
気分はすっかり探偵モード。
末は金田一耕助かホームズか。
どちらにしても、客からはしっかり金を取るんだぞ優奈。
心の中で妹を応援しながら、優奈の手元を見る。
「神崎邸……秘密の扉大作戦?」
手帳に書かれたあまりにも捻りのないタイトルに、俺は呆れた声を出してしまう。
「そうよ、何か文句ある?」
「いえ、別にないです」
一瞬睨みをきかせてきた優奈に、俺は思わず敬語を使ってしまう。
それを見て、隣にいる神崎が俺のわき腹をつついてきた。
なにが言いたいのか聞かなくても、その表情を見ればわかる。
悪かったな妹に弱くて。
俺の言いたいことはすぐに理解できたらしい、神崎がヒョイと肩をすくめてみせた。
「神崎流星君!」
「あ、はい!」
優奈の大声に神崎は大きな体ろビクリと跳ねさせて、背筋を伸ばした。
「あなたの家に、入ったこともない部屋がある、ということは間違いのない事実ですね?」