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「で、何がついてるって?」


神崎の鼻血が止まってから、俺は話を元に戻した。


こいつと話をしていると、話題が脱線しまくって肝心なことがよく理解できないし、先に進めない。


そんなことで少しイライラしている自分がいた。


「監視カメラ」


「監視カメラ!!」


優奈がオウム返しした。


俺の反応も優奈と同じ、キレイにハモったのだ。


「そ、だからその部屋には必ず何かある。気になってしかたないんだ」


なるほど。


これも普通の家では想像できない話だけれど、あの豪邸なら監視カメラの一つや二つ当たり前だろう。


だけど、それが家の中についている、ということろが問題なのだ。


不審人物をいち早く見つけるためなら家の外にあるハズだ。


中に監視カメラがあるなんて、家の人間を寄せ付けないためにあるようなものだ。


「その部屋誰も入ったことないの?」


ミステリー好きな優奈が真剣推理モードに入っている。


一度スイッチが入ってしまうと、完璧に推理してしまうまで元には戻らない。


やっかいなことになりそうな気がしてきた。