「俺たちは16歳と14歳という微妙な年齢に立たされている。子供でもなく、かといって完璧な大人でもない。大人と子供の中間地点。心と体が変化していく大切な過程だ。だけど、疑問だと思わないか?」


「なにが?」


「人は本当に大人と子供と、俺たち思春期の三つにしか別けられないのだろうか?」


「あと男と女、身長差、年齢」


俺は淡泊に答えた。


もっと沢山の部類分けはできるだろうけれど、神崎がそれを遮った。


「ま、その話は置いといて」


「置いとくのかよ。なんだったんだ?」


「その思春期では沢山の悩みが出てくるわけよ。意味もなくイライラしたり、ヘコんだり。思春期特有の自殺願望なんかもあるわけよ」


「それは異議なし」


今度は優奈がコクコクと頷いて答える。


「で、だな。思春期真っ只中の俺は、今ものすごく気になって気になって気になって仕方のないことがある」


「へぇ?」


「例えるなら、グラビア写真集で見えもしないのに、つい雑誌を傾けちゃう感じ」