「ハジメか? ハジメは残念なことに、さっき心臓発作を起こして16年という短い生涯を……」


「勝手に殺すんじゃねぇ!!」


思わず、ドアを開けて激しく突っ込みを入れてしまった。


その瞬間に「おじゃましまぁす」と、本当のお邪魔虫が二匹入ってきた。


もちろん神崎と優奈だ。


神崎のせいで血管が切れて本当に死んだらどうする。


「ハジメ、アディオス。ってのは『また会おうね』って意味も含まれてるんだぞ」


ずかずかと入り込んできた神崎の、ツンツンに立てた短髪が俺を笑って揺れる。


ほう、そうか。


そんな意味もあったのかぁ……。


「つぅか、会うの早すぎだろ!」


再びつっこみを入れたが、神崎の注目は俺からプリンに変換されていて、完璧無視された。


曇りや雨や台風か……。


やっぱり、そんなものいらない! おもしろくもない晴天を毎日毎日繰り返しているだけで、俺は十分に幸せだ。


神様、俺の考えは間違っているでしょうか? なんでこいつは神に崎をつけて神崎なんでしょうか。