「へ?」


「ベッドから起きたとき、まだメマイしてたんだろ?」


「あ、そういえば……。そんなこと気付いてたのか」


バレていないと思って黙っていたから、なんだか居心地の悪さを感じた。


ここは俺の部屋なのに。


「もしかしてあれで隠してたつもりなのか? ハジメは作家にはなれても男優にはなれないな」


「うっさい。どっちも興味ない」


枕をパンッと叩いてこの場の空気を刺激する。


また神崎に流されかけている自分が嫌だったのだ。


一瞬ピリッと張り詰め、皮膚を刺激する空気に変わるが、すぐに柔らかく体をつつみ込む。


無駄な抵抗だったようだ。


だけど、このまま神崎のペースで会話を続けるのは癪なので、自分から話題を変えることにした。