☆☆☆
朝のまどろむ時間が好きだった。
時間が経つもの忘れ、ベッドの中で何度も寝たり起きたりを繰り返し、のんびりと目が覚める。
起きたときの太陽の高さとか、周りの様子も気にすることなく、ただ自分の腹時計だけに従えばいい。
もちろん、夏休み中俺はそうやって過ごすことにしていた。
休みの日だけは、世界中の人間みんなが形に頼らずにいられる。
中には自分というものを全く持っていなくて、定年後に鬱に陥ってしまう困ったちゃんもいるが、いつまでも形がついてくると思っていたら大間違いだ。
いつか必ず、今までの毎日は消えてなくなる。
その前に自分自身の形を自分で作らなければいけない。
そう、俺の形は、つまりこうやってゴロゴロすること。
ベッドに寝転んで目を閉じたまま、う~んと伸びをすると背骨がパキパキと音を立てる。
俺は自分の胴体、手足を最大限まで伸ばしてみた。
体中のあちこちが奇妙な音を立てながら伸びていく。
まだ起きる気はなかったけれど、気持ちがよくてつい目を開けてしまった。
「あ……あ、あ、あ……」
アクビをしようと口を開けたが、そのまま引っ込んでしまった。
しかし口を閉じることもできず「うわぁぁぁぁぁぁ!!!」と、悲鳴を上げた。
朝のまどろむ時間が好きだった。
時間が経つもの忘れ、ベッドの中で何度も寝たり起きたりを繰り返し、のんびりと目が覚める。
起きたときの太陽の高さとか、周りの様子も気にすることなく、ただ自分の腹時計だけに従えばいい。
もちろん、夏休み中俺はそうやって過ごすことにしていた。
休みの日だけは、世界中の人間みんなが形に頼らずにいられる。
中には自分というものを全く持っていなくて、定年後に鬱に陥ってしまう困ったちゃんもいるが、いつまでも形がついてくると思っていたら大間違いだ。
いつか必ず、今までの毎日は消えてなくなる。
その前に自分自身の形を自分で作らなければいけない。
そう、俺の形は、つまりこうやってゴロゴロすること。
ベッドに寝転んで目を閉じたまま、う~んと伸びをすると背骨がパキパキと音を立てる。
俺は自分の胴体、手足を最大限まで伸ばしてみた。
体中のあちこちが奇妙な音を立てながら伸びていく。
まだ起きる気はなかったけれど、気持ちがよくてつい目を開けてしまった。
「あ……あ、あ、あ……」
アクビをしようと口を開けたが、そのまま引っ込んでしまった。
しかし口を閉じることもできず「うわぁぁぁぁぁぁ!!!」と、悲鳴を上げた。