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みんなで体育館へ移動して、始業式をして、教室へ戻って宿題を提出する。


そんな一連の動作をしながらも俺の頭は真っ白だった。


どうして来ないんだよ。


もしかして、本当にダメだったのか?


大人の力には抗うことができず、諦めたのか?


そう思い、グッと奥歯を噛みしめた。


もうすぐ放課後になる。


神崎は、来ない……。


「おーっと! セーフ!?」


教室前方の戸がガラッと大きな音を立てて開いた。


明日からの授業説明をしていた咲田が言葉を切り、呆れた表情をそちらへ向ける。


俺はポカンと口を開けてそいつを見つめた。


「なにがセーフよ神崎君。もう学校は終わりよ」


「あれ? もうそんな時間?」


悪びれる様子もなく笑顔を浮かべて席へ向かう神崎。


夏休み前から登校拒否をしていた神崎に視線が集中しているが、当人はそんなことお構いなしだ。


俺はただ呆然と神崎を見つめる。


そして、目が合った。


目が合った瞬間ニカッと白い歯をのぞかせる神崎。


夏休みの終わりに髪を切ったようで、サッパリした頭だ。


「どうもみんな! 俺が神崎流星です!」


自分の席に到着した神崎が大きな声で言う。


俺は更に目を見開いて神崎を見た。


神崎流星。


確かにそう言ったよな?