風呂に入っているとホッとため息が出る。


一日の終りです、今日もお疲れ様。


お湯加減どうでしょうか?


なんて湯船に話しかけられているようで、あ、今日も終りなんだ。


と実感する。


今日は一日いかがでいたか?


いかがもなにもないよ。


大変な目にあったんだ。


あらあら、それはいけませんでしたね。


どんなことがあったんです?


一番嫌なクラスメイトの家に行ったんだ。


そしたらすごい豪邸でね。


普段でもとっつきにくい奴なのに、更にとっつきにくくなった。


おまけにそいつの庭で倒れちゃって、散々だよ。


湯船で一人、大きく左右に首を振る。


こんなところ神崎に見られたらどうなるだろう? きっと、『男優めざしてるのか?』なんて聞いてくるんだろうな。


あぁ、本当に嫌なやつだ。


だけど……だけど、「気持ちよかったな」