「慰めない」


俺はキッパリと言い切った。


「お前はきっと大丈夫だから」


「そっか……そうだな」


神崎は何度も頷き、そしてまた笑った。


「じゃあ、行ってくる」


いつものノリで、いつもの笑顔で、右手を軽く上げて戦場へと出向く。


その後ろ姿に俺は言った。


「チャオ! 神崎」


アディオスよりも軽い言葉。


またな!と、誠意をこめて。


神崎は一瞬振り返り、そして門の中へと消えて行ったのだった。