☆☆☆
いつか見た夢の内容を思い出していた。
辺りは真暗で、どこを見ても闇、闇、闇。
闇の中で幾度も繰り返される攻撃。
『じゃんじゃじゃ~ん! お助けマン登場!』
赤いマントを身につけ、プラスチック製の刀を両手に持っている神崎が出現する。
『もう大丈夫だぞ、ハジメ』
俺に背中を向けた状態で、神崎は言う。
『ハジメ、飛べ!』
神崎が叫ぶ。
俺の左手が、闇の中で強く握られる。
突然宙に投げ出された俺の体は落下していく。
『形にはまるな。ハジメならできる』
今まで強く握られていた左手が、パッと離れる。
『飛べ! ハジメ!』
悪夢の中でまで、俺を助けてくれた神崎。
俺は神崎の言う通り、飛ぶことができただろうか。
電線にとまる雀5匹を見つめて首を傾げた。
人間は飛ぶことなんてできない。
だけど、その形からはずれることができれば。
飛べると信じる事ができれば、あるいは……。
俺は勢いよく立ち上がり、部屋を出た。
ちょうど自分の部屋に入っていく優奈の姿を見つけて立ち止まった。
「神崎は!?」
「流ちゃんなら用事を思い出したっていって帰ったよ?」
最後まで聞かずにまた駆け出した。
いつか見た夢の内容を思い出していた。
辺りは真暗で、どこを見ても闇、闇、闇。
闇の中で幾度も繰り返される攻撃。
『じゃんじゃじゃ~ん! お助けマン登場!』
赤いマントを身につけ、プラスチック製の刀を両手に持っている神崎が出現する。
『もう大丈夫だぞ、ハジメ』
俺に背中を向けた状態で、神崎は言う。
『ハジメ、飛べ!』
神崎が叫ぶ。
俺の左手が、闇の中で強く握られる。
突然宙に投げ出された俺の体は落下していく。
『形にはまるな。ハジメならできる』
今まで強く握られていた左手が、パッと離れる。
『飛べ! ハジメ!』
悪夢の中でまで、俺を助けてくれた神崎。
俺は神崎の言う通り、飛ぶことができただろうか。
電線にとまる雀5匹を見つめて首を傾げた。
人間は飛ぶことなんてできない。
だけど、その形からはずれることができれば。
飛べると信じる事ができれば、あるいは……。
俺は勢いよく立ち上がり、部屋を出た。
ちょうど自分の部屋に入っていく優奈の姿を見つけて立ち止まった。
「神崎は!?」
「流ちゃんなら用事を思い出したっていって帰ったよ?」
最後まで聞かずにまた駆け出した。