「あぁ。引っ越した時に持ってきたんだ」


沢山の銅像や絵画が飾られている中、あれだけは異質な存在だった。


小学生の頃作ったというだけあって安っぽくて紙でできた地球儀だった。


この屋敷にはひどく不似合で、それでもリビングというメインの部屋に置かれていたのが、やけに印象的だった。


「もしかしてあの地球儀、中は空洞か?」


「もちろん。紙を貼り合わせて作ったやつだ」


神崎の言葉に俺たちは目を見交わせた。


「まさか……」


「行ってみよう」


そう言い、書斎からすぐに駆け出した。


不本意だけれど、徐々に楽しくなっている自分がいるのだった。