神崎が立ち止まった場所でピョンピョンと飛び跳ねながら言った。


まるで可愛くないデカイうさぎが跳ねまわっているようだ。


仕方なく神崎の隣まで移動して同じように跳ねて見た。


ピョンピョンピョンピョン。


消して小さくない男が2人、ピョンピョンピョンピョン。


これはどこからどう見ても異様な光景だ。


「確かに、音が違うな」


飛び跳ねるのをやめて、部屋の中を少し歩き回って確認してから言った。


「だろ!? 地下室があるだろ!?」


神崎は目を輝かせて賛同を求めている。


まぁ、その可能性は大いにあると思う。


でも、問題は地下室へと続く扉が半分以上ダンボールの下になっていることだった。


天井まで続く段ボールの箱を見上げて、俺はゆるゆると息を吐きだした。


「で? これから先どうするつもりだよ」


「そんなの、地下室に行ってみるに決まってるだろ」


神崎はまだ飛び跳ねている。


その行為が気に入ったのかもしれない。


「これだけの段ボールを移動するのか?」


考えただけでメマイが起きそうになる。


「大丈夫だって! 前にも言ったけど、中身はほとんど入ってなかった。この段ボールはダミーなんだからな」