☆☆☆
「流ちゃんに会いに行くんでしょ」
朝食を終えて歯磨きをしていると、後ろから優奈が声をかけてきた。
優奈はまだパジャマ姿だ。
「なんで?」
俺は歯磨き粉を飲み込んでしまいそうになりながら、どうにかそう質問した。
優奈には今日神崎の家に行くとは伝えていない。
言えば絶対について行きたいと言うに決まっているからだ。
「お兄ちゃんが遊びに行く相手なんて、流ちゃんしかいないでしょ」
失礼な!
俺は眉間にシワを寄せ、口の中の泡を吐き出した。
「俺にだって友達はいる」
「いるかもしれないけど、いつもより楽しそうだもん」
「楽しそうにしてたからって、神崎とアウトは限らないだろ」
「そんなことない! 私にはちゃんとお見通しなんだから!」
名探偵優奈はビシッと俺を指さしてそう言い切った。
「お兄ちゃんは流ちゃんと一緒にいるときが一番楽しそうだもん!」
そう言われて、俺は自分の両手で頬をひっぱってグネグネと動かしてみた。
そんなに楽しそうな顔をしていただろうか?
それは不本意だな。
「ねぇ、私もついて行っていいでしょ?」
優奈は俺の腕を掴んでブンブン振り回して来る。
「ダメ。今日はちょっと、大切な用事だから」
計画を話していないから、優奈を連れて行くわけにはいかない。
それに今回は優奈の知恵を借りなくてもなんとかなりそうなのだ。
「なんで!? 私だって流ちゃんに会いたい!」
優奈は駄々っ子のように叫び、更に俺の腕を振り回した。
ともすれば引きちぎれてしまいそうだ。
そろそろ肩の限界に達した時、俺は優奈の手をそっと解いた。
「流ちゃんに会いに行くんでしょ」
朝食を終えて歯磨きをしていると、後ろから優奈が声をかけてきた。
優奈はまだパジャマ姿だ。
「なんで?」
俺は歯磨き粉を飲み込んでしまいそうになりながら、どうにかそう質問した。
優奈には今日神崎の家に行くとは伝えていない。
言えば絶対について行きたいと言うに決まっているからだ。
「お兄ちゃんが遊びに行く相手なんて、流ちゃんしかいないでしょ」
失礼な!
俺は眉間にシワを寄せ、口の中の泡を吐き出した。
「俺にだって友達はいる」
「いるかもしれないけど、いつもより楽しそうだもん」
「楽しそうにしてたからって、神崎とアウトは限らないだろ」
「そんなことない! 私にはちゃんとお見通しなんだから!」
名探偵優奈はビシッと俺を指さしてそう言い切った。
「お兄ちゃんは流ちゃんと一緒にいるときが一番楽しそうだもん!」
そう言われて、俺は自分の両手で頬をひっぱってグネグネと動かしてみた。
そんなに楽しそうな顔をしていただろうか?
それは不本意だな。
「ねぇ、私もついて行っていいでしょ?」
優奈は俺の腕を掴んでブンブン振り回して来る。
「ダメ。今日はちょっと、大切な用事だから」
計画を話していないから、優奈を連れて行くわけにはいかない。
それに今回は優奈の知恵を借りなくてもなんとかなりそうなのだ。
「なんで!? 私だって流ちゃんに会いたい!」
優奈は駄々っ子のように叫び、更に俺の腕を振り回した。
ともすれば引きちぎれてしまいそうだ。
そろそろ肩の限界に達した時、俺は優奈の手をそっと解いた。