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どうやら神崎は本当に忙しいらしい。


そう理解したのは、3日後のことだった。


「最近全然流ちゃんと会ってない……」


夕飯もお風呂も終えた優奈が俺の部屋に来て、落ち込んだ様子で呟いた。


「仕方ないだろ。用事があるんだったら来れなくても」


ベッドに寝転んで漫画を読んでいた俺は、そう言いながら体を起こした。


「でもさ、電話したらちゃんと出るんだよ? どこにも行ってないってことだよ?」


「家にいたってやる事くらいあるだろ。神崎だって学生なんだから、宿題もあるし、友達とだって遊びに行く」


「お兄ちゃんは出かけないじゃん」


そう言われてグサリと突き刺さる。


「俺はいいんだよ、インドア派だから」


正直、遊び相手が全くいないというわけじゃない。


でも学校外で友人と会うと、どうしても変に気をつかってしまうので極力1人でいたかった。


そんなことをしているから、余計に孤立していくのだけれど。


「流ちゃんがいないとつまんないよぉぉぉ!!」


優奈がサイレンのようにサイレンのように叫ぶので、慌ててその口を塞いだ。


「わかったよ。また今度俺から電話してやるから」


「本当に!?」


優奈の瞳がパッと輝く。


「本当だよ。約束する」


「じゃあ、今!」


「え?」