☆☆☆
数分後、俺たちは小さな公園の、臭いトイレの中にいた。
「だから降るっていったろ」
トイレの外では大粒の雨が痛いほど降り注ぎ、稲妻と雷鳴が激しい会話を繰り広げている。
なんとか大降りになる前にトイレに駆け込んだのだが、それでも服はびしょ濡れだ。
「仕方がないから、雨宿りでもしよう」
神崎が今閃いたような口調で言う。
「今してるだろ」
「ハジメ、細かいところまで突っ込むようになったな」
「お前がもっとまともな事言えば突っ込み役を降りられるのにな」
と、嫌味タップリにイーっと歯を見せて笑ってやる。
そんな俺たちの会話をせせら笑うように、雨はどんどん強さを増していく。
空の明るさは雲によって遮断されたままで、下手をすればこれから一日降り続けるかもしれない。
俺の中に不安がだんだんと膨らんで来た時、神崎が鞄から何かを取り出した。
小型のカメラだ。
「なんでそんなもの持ってんだ?」
「なんだ、もう忘れたのか?」
神崎は、準備をしながら呆れたような声を出す。
忘れた? 何が?
「監視カメラの録画映像を、これから撮るんだよ」
「……はぁ?」
俺は瞬きをして聞き返す。
「監視カメラがあったのは、部屋の外だった。廊下と部屋のドアが映っていればそれで問題ない」
「待てよ。ドアが映ってなきゃいけないのに、なんでここで録画の準備してんだよ」
「ハジメ知らないのか?」
今度は、キョトンとした口調でそう聞いてきた。
俺は、ただ首を傾げる。
神崎は、公園のある場所を指差し、ニッと笑った。
数分後、俺たちは小さな公園の、臭いトイレの中にいた。
「だから降るっていったろ」
トイレの外では大粒の雨が痛いほど降り注ぎ、稲妻と雷鳴が激しい会話を繰り広げている。
なんとか大降りになる前にトイレに駆け込んだのだが、それでも服はびしょ濡れだ。
「仕方がないから、雨宿りでもしよう」
神崎が今閃いたような口調で言う。
「今してるだろ」
「ハジメ、細かいところまで突っ込むようになったな」
「お前がもっとまともな事言えば突っ込み役を降りられるのにな」
と、嫌味タップリにイーっと歯を見せて笑ってやる。
そんな俺たちの会話をせせら笑うように、雨はどんどん強さを増していく。
空の明るさは雲によって遮断されたままで、下手をすればこれから一日降り続けるかもしれない。
俺の中に不安がだんだんと膨らんで来た時、神崎が鞄から何かを取り出した。
小型のカメラだ。
「なんでそんなもの持ってんだ?」
「なんだ、もう忘れたのか?」
神崎は、準備をしながら呆れたような声を出す。
忘れた? 何が?
「監視カメラの録画映像を、これから撮るんだよ」
「……はぁ?」
俺は瞬きをして聞き返す。
「監視カメラがあったのは、部屋の外だった。廊下と部屋のドアが映っていればそれで問題ない」
「待てよ。ドアが映ってなきゃいけないのに、なんでここで録画の準備してんだよ」
「ハジメ知らないのか?」
今度は、キョトンとした口調でそう聞いてきた。
俺は、ただ首を傾げる。
神崎は、公園のある場所を指差し、ニッと笑った。