だけど、ここで16年も暮らしていてこの状態ってことは、なんだかひっかかる。


俺たちは……、少なくても俺は健全な16歳男子だ。


咲田のGカップに反応するお年頃。


ってことは、この部屋にそういう類の本なんかがないってのは妙な話なのだ。それとも、そんなものもちゃんと収納しているのだろうか? 突然使いたくなる、なんてことはないのだろうか? 少なくとも、俺はそういうときがあるんだけれど。


色んな考えと共に、部屋の中を見回してみる。


「変だろ?」


「へ?」


「俺の部屋。男にしてはキレイすぎる」


「あぁ、確かに。だから、潔癖かなって」


「潔癖ではないんだよ。ただ、ここに引っ越して間もないだけ」


「引っ越して……?」


話がうまく飲み込めない。


一応俺はこの辺に住んでいるから、この豪邸がずっと前から建っていることも知っている。