本当は、『死相が出てる』と、言いたい所だったけれど、そんなものでくたばる神崎ではない。
死相が出ていると言えば、いやらしい『思想』を思い浮かべるに違いないのでやめておいたのだ。
秘密の部屋へ侵入してから一週間。
夏真っ盛りのこの時期に、何故だか俺はクラスメイトの神崎流星とばかりつるんでいる。
《神崎邸、秘密の扉大作戦》が成功してから神崎は毎日のようにうちに居座るようになっていた。
もう謎は解けたんだからどっか行けと何度言っても聞く耳を持たない。
妹の優奈はなぜか神崎のことを気に入っていて、相変わらず『流ちゃん流ちゃん』と馴れ馴れしく呼んでいる。
シスコンの俺からすればそんな2人を見ていると胸の奥がモヤモヤとしてきてしまう。
嫉妬心……というのだろうか。
はたまた神崎みたいな男に妹を取られてしまうかもしれないと言う、焦りかもしれない。
とにかく、この2人が一緒にいる所を見ると、落ち着いていられなかった。
「で、お姫様は今日はどこにお出かけで?」
優奈の、ブルーのキャミソールにショートパンツ姿を見て、神崎が聞く。
すでに出かける準備万端である。
「今日はね、友達とプールに行くの」
いいながら、タオルや水着が入っている大きなビニール製のバッグを持ち上げて見せる。
遊びにいくにはまだ充分時間があるというのに、今からバッグを持ちまわっているのだ。
相当楽しみにしているのだろう。
死相が出ていると言えば、いやらしい『思想』を思い浮かべるに違いないのでやめておいたのだ。
秘密の部屋へ侵入してから一週間。
夏真っ盛りのこの時期に、何故だか俺はクラスメイトの神崎流星とばかりつるんでいる。
《神崎邸、秘密の扉大作戦》が成功してから神崎は毎日のようにうちに居座るようになっていた。
もう謎は解けたんだからどっか行けと何度言っても聞く耳を持たない。
妹の優奈はなぜか神崎のことを気に入っていて、相変わらず『流ちゃん流ちゃん』と馴れ馴れしく呼んでいる。
シスコンの俺からすればそんな2人を見ていると胸の奥がモヤモヤとしてきてしまう。
嫉妬心……というのだろうか。
はたまた神崎みたいな男に妹を取られてしまうかもしれないと言う、焦りかもしれない。
とにかく、この2人が一緒にいる所を見ると、落ち着いていられなかった。
「で、お姫様は今日はどこにお出かけで?」
優奈の、ブルーのキャミソールにショートパンツ姿を見て、神崎が聞く。
すでに出かける準備万端である。
「今日はね、友達とプールに行くの」
いいながら、タオルや水着が入っている大きなビニール製のバッグを持ち上げて見せる。
遊びにいくにはまだ充分時間があるというのに、今からバッグを持ちまわっているのだ。
相当楽しみにしているのだろう。