その瞬間、今まで立っていた床が無くなった。


「うわっ!?」


突然宙に投げ出された俺の体は、いつの間にか、どういうわけか空の上にあった。


暗い箱の中に閉じ込められていた俺は、雲と太陽の光と、青の中、落下していく。


この状況に対応できるわけがなく、どうしていいかわからない俺は、落ちていく恐怖にパニックに陥る。


「形にはまるな。ハジメならできる」


今まで強く握られていた左手が、パッと離れる。


その途端、俺の落下するスピードが極端に早くなった。


「飛べ! ハジメ!」


「どういう意味だよ!」


落ちていく。


どんどんスピードをあげて、落ちていく。


無我夢中で両手をばたつかせてみるが、鳥のように飛べるはずもない。


急降下する中で、俺はぼんやりと考えた。


なぁ、神崎。


ハジメならできるって、どういう意味だよ……。