「お姉ちゃんこれ見て」
そう言うと妹はスマホを弄って再び私に画面を向けた。
よく見なくてもその画面に写るのがYUKIYA様だということはすぐにわかった。
「これとか、これとか、これとか!ね、ヤバイでしょ?かっこいいでしょ?会いたくなっちゃった?つかなったよね?」
妹の指によってYUKIYA様がセクシーポーズを決めた画像を次々に見させられた私だったが、妹には大変申し訳ないのだが、全く一ミリたりともときめかなかった。
妹よ。あんたのYUKIYA様愛は痛いほど伝わったよ。
だけどね、お姉ちゃんの胸まではYUKIYA様は鷲掴みにはしてくれないみたいだ。
「なにも私じゃなくたってよくない?親友の葉月ちゃん誘えばいいじゃん」
「ダメなんだよなー。葉月はYUKIYA様の良さわからないって言うんだもん」
葉月ちゃん、私も君と全く同じ気持ちだよ。と心中で葉月ちゃんに向けて呟いた。
「他の子は?あんたいっぱい友達いるんでしょ?」
「いないからお姉ちゃんに頼んでるんじゃん!ねぇお願い!この通り!!可愛い妹をどうか愛するYUKIYA様に会わせてやってくださいましいいい!!」
うっわ、こいつPM4:00さらっと自分のこと可愛い妹って言ったよ!!
「嫌だ」と言った。
「嫌だ」とあんなに言ったはずなのに、夕飯時に両親から「行ってあげなさいよー」とさらりと言われてしまい、妹は私に「よろしくね、おねーちゃん」とにっこりと笑顔を見せた。