なんて、、、
「あっつい…」
ブオオオオと冷房の音だけが部屋中に響き渡るその中心で、フローリングの上に敷かれた絨毯の上で仰向けになって倒れながら壁にピタリと付けて置かれた木製のベッドに足を乗せた状態の私は、何も貼られてもいないけれど真っ白とはちょっと言い切れない天井を見つめていた。
そのまま右を向けば部屋のドアがぽつりとドアノブを回してほしそうにしていた。
左を向けば眩しい陽射しを遮りたい。
外から中を見られたくない。
それだけのためにどこで買ってもらった?
誰にいくらで買ってもらった?
なぜこの色にした?
それさえ曖昧な真っ赤なカーテンが冷房の風でゆらりと揺れていた。
テレビのリモコンを探して、なんでもいいから適当に番組を付けよう。そう思って見つけたリモコンを見つめてもう何十分経ったっけ?
まさかのまさかで机の上で堂々と鎮座しているテレビのリモコンは、生意気な目で私を見下ろしていた。
立ち上がってリモコンを取り、テレビを付けて、それすら今は面倒でならない。
やる気が出ない。
邪魔くさい。
ああ、こんな時、あの腕がビヨーーンと伸びる奴になりたいと切に願った。
ただ息を吸って吐く。
奈良宮 初音 24歳。
職業 無職。
今日も生きています。