目的の焼肉屋は歓楽街の端っこにあった。店主が繫華街の人間と歓楽街の人間の両方を獲得しようと考えた結果だった。二兎追うものは何とやらで、店主の目論見は八割がた失敗している。それに何と言っても場所が悪い。歓楽街のメインストリートの脇道を何本も入っていき、まるで迷路の先にあるような感覚におちいるほど場所が悪かった。
家賃が安いんだろうとよういに想像がつく、そのかわりに他の焼肉屋に比べて値段が安いという利点もあった。サナはずんずんと歩を進めるオレの少し後ろを歩いている。何度も脇道に入るたび、サナの表情が曇り始める。歓楽街の脇道はメインストリートに比べて治安が悪いからだった。
家賃が安いんだろうとよういに想像がつく、そのかわりに他の焼肉屋に比べて値段が安いという利点もあった。サナはずんずんと歩を進めるオレの少し後ろを歩いている。何度も脇道に入るたび、サナの表情が曇り始める。歓楽街の脇道はメインストリートに比べて治安が悪いからだった。