少し褒めすぎたのか、サナがご褒美求めてきた。

「頑張ったんだからお祝いして」

上目遣いでせがんできた。余り慣れてない上目遣いのためか、瞬きの回数が多い。また、その姿がとても可愛いのだから困る。オレもついつい甘くなってしまいサナに「何が欲しいんだ?」と聞く始末で、まんまとサナにやられてしまったと後悔する。

「んー、前に言ってた焼肉屋に行きたい」とサナは言った。

その約束をすっかり忘れていた。話しの流れででた会話をよく覚えていたものだと感心して、オレは言う。

「今から行くのか?」

サナは首を振る。

「朝までやってるんでしょ、アイルの仕事が終わってから行きたい」