「そう言うお前はどうなんだよ」

「わたしはサナよ」

確かに普通の名前だと思った。アイルが中二病すぎするのだ。

「オレはここで働いてるよ」

「ふ~ん」

サナはオレの顔をまじまじと見てくる。まるで値踏みをするように。視線が痛い。酷いこと言われそうで怖い。サナは大きく息を吸ってはいた。

「ねえ、アイルの家に泊めてよ」

「はあー?やだよ」

「じゃあ、ここから動かない、死んでも動かないからね!」

別に脅しに屈したわけではないが、サナを連れ帰る事にした。いつまでも店の前に居座られても困る。それに、ここは歓楽街の一角。治安がいいとは言えない。本来ならば女子高生がいるべき場所じゃない。