歓楽街と道路一本離れた所に繫華街がある。歓楽街と違い、サナの居場所は改めてこっち側だと思う。サナと似たような少年少女も多い。人通りも歓楽街に比べて多い。

「ねえ、アイルは焼肉すき?」

唐突に隣りを歩くサナが聞いてきた。

「ああ、寿司より焼肉のが好きだな」

生魚が苦手なオレは迷いなく答える。

「ふ~ん」

「たまに、店が終わって、みんなで食べに行くこともあるしな」

「お店が終わってからって、そんな時間にあいてるの?」

サナは驚いた声をあげる。確かにオレも初めて行ったときは驚いたな。こんな時間に焼肉屋があいていることに。

「今度、連れて行ってやるよ、家から近いしな」

そう言うとサナは喜び「うん」と言った。