サナは料理も手慣れているようで、手際がいい。カレーを鍋ではなくフライパンで作る。ある時、オレはあまりの手際のよさに聞いたことがあった。

「サナは料理に慣れてるな、家でもよく作っていたのか?」

サナは少し表情に影落とす。まずいことを聞いたのかもしれないと心配になった。サナは箸を置いて言った。

「慣れてるよ、わたしのお母さんは料理しなくなったから・・・それで、仕方なくわたしがご飯をつくるようになったから」

寂しそうな表情を浮かべる。これ以上聞いていいもなのか悩んだがオレは聞いた。