散らばっている荷物をサナは手早く鞄にしまう。毎日の習慣とはいえ、感心するくらい早い。整理整頓が得意ではないオレは特にそう感じる。サナは何度も振り返る。まだ疑っているようだった。まあ、確かに下着を漁るような事はしてないけれど、漁ったという事実はあるわけで、少し罪悪感も感じる。それにサナは勘が鋭いのかもしれないな。

正直、下着なんかよりも物騒な物を発見したんだけどな。それでもサナの性格上、オレにはサナがいくら逆上しても、あの果物ナイフを人に向けて振り回す想像ができない。サナは本当に純真無垢なようにオレの目にはうつっている。

それは、歓楽街の住人としか接していないからかもしれない。