その日、いつものようにサナに朝食を買って帰り、オレはサナに昼食の事を尋ねた。

「お前、昼食はどしているんだ？」

サナは黙り込む。食べていたパンを床において。

「ちゃんと食べているのか？」

「う、うん」

歯切れの悪い返事が帰ってきた。すぐに噓だとわかった。職業柄、色んな人に接するオレはある程度の噓は見抜けるようになっていた。

「なに食べてるんだ？」

「学食で・・・」

「学食って、お前、金持ってないだろうが」

言ってて、オレは気付く。サナに少しでも持たせるべきだったのではないかと。