そんな横暴を一方的に認めるわけにはいかない。サナの言い分の通りにいくわけもなく、オレは反論する。

「家出なんかやめて帰れっ」

「嫌よ・・・ねえ、少しの間だから、お願い」

「少しっていつまで?」

サナは少し考えていう。

「目的が果たせるまでかな」

そう言うとサナは鞄から持ってきた荷物を床に広げ始める。フリマでも始めるみたいに。その様子を見てオレは煙草に火をつけた。心を落ち着かせないと頭が変になりそうで。

苛立っているオレのことは、お構いなしにサナは広げた荷物を綺麗に鞄へ戻した。それからサナは言う。

「お腹すいた」