女性の家は歓楽街から近く、歩いて帰れる距離だった。ワンルームマンションで、今住んでいるオレのマンションに似ている。

オレは仕事が終わると、その女性の家に行き、いつの間にか同棲生活をはじめていた。故意にではなく、自然に。

その女性とオレは二年以上も同棲生活続けた。その女性が言った事がある。

「アイルって、ずっと昔からいるみたい、空気みたい」

女性の言いたいことはよくわからなかったけれど、誰かと狭い空間で過ごすことにオレは慣れている。サナが居ついたとしてもなんら問題はないと思っていた。