オレは唇をさらに押しつけて舌を入れようとしたらサナがオレの両肩を両腕で力一杯押してサナの腕の長さだけ距離を開けた。そしてサナは力一杯右手をオレの頬に打ち付けた。まるでしなるムチのようだった。

パンっと乾いた音が響きオレは痛みを感じた。「何するんだよ」と言うとしなるムチがまた飛んできた。パンっパンっパン。

計四発の連続平手打ちをオレは食らった。舌を入れようとしたのがそんなに気にさわったのか?そう思っていたらサナは言った。

「私たちまだ付き合ってもない、それにアイルから好きだとも言われてないよ」

サナは親の仇を見るような目でオレを睨む。それから続けて「何ですぐに追いかけて来ないのよ、女の子の気持ち全然分かってないじゃない」

オレはサナの迫力に圧倒されて「ごめんなさい」と言った。