オレは立ち上がりロッカーの前に行きロッカーからノートを取り出した。そのノートは顧客名簿だ。ある程度の常連の住所や電話番号が載っている物だ。オレはサヤの住所を確認すると、胸ポケットの手帳にメモした。

サナの家にサナを迎えに行くために。いや、サナに謝るために。足が少し震えている。体は正直だな。サナに会うのが凄く怖い。サナにどう謝罪したらいいのかわからない。それでもオレはサナに会いたい。だってオレはサナが好きだから。サナを失うくらいならサナに殺されてもいい。オレはそれぐらいサナが好きで必要なんだ。

オレはランの前に立ってお礼を言った。

「ラン、ありがとう、色々考えたけどさ、覚悟決めたわ、、、それから今日連れて上がったお客さんお前が捕まえろよ」

ランはオレの言った事をあまり理解していないようだったが、ランも立ち上がってオレの背中に気合いを注入するように叩いた。

「よくわからんが頑張れ」

「ああ、頑張る！」

オレはそう言ってランの背中にお返しとばかりに叩いた。「おまえも頑張って客捕まえろよ」オレはそう言ってお店を後にした。