二人で買ったたこ焼きを落ち着いて食べるために的屋の並ぶ通りから人通りの少ない路地に入った。ざっと見回すと、あちこちで地べたに座り休暇をしている若者の姿が目に入った。

サナもここで地べたに腰をおろしたいのかも知れないと思い表情を確認するがサナにはその気がないようにみえる。全くといってサナの視界に周囲の若者が視界に入っていなかったから。

それでもオレは一応、サナに声をかける。

「サナ、オレたちもここら辺に座ってたこ焼き食べるか?」

「ん?地べたに座って?」

「そう」

「えー嫌だよ、行儀わるいし、アイルのスーツ汚れるじゃない、それにもう少し行けば小さな公園にベンチがあるよ」

繁華街の周辺はサナのほうが詳しい。さすが女子高生といったところか。