日も少し落ちて、真夏の猛暑も少しだけかげりをみせはじめた。そろそろ、サナを祭りに連れ出そうかと思い声をかけた。

「サナ、祭りに行くか?」

サナに何も言っていないので疑問系になってしまう。声をかけられたサナは驚いた表情をしている。

「いいの?お客さんと約束があるんじゃないの?」

どうやらサナはオレがお客さんとのアフターを入れていると思ってたみたいだ。いつもならそうするのだからサナがそう思うのも無理はない。

「約束なんかいれてないよ、今日はサナと祭りに行こうと決めてたからな」

そう言うと、少しだけ照れ臭くなってあたまの後ろをかいた。

サナはオレの腕に抱きついて「行く」と、嬉しそうに言った。その姿を見てオレは今日の選択を間違ってないと思い、嬉しくなったのだった。