吐くものをすべて吐き出して、体が楽になった。サナが布団から自ずとでて来たのをさいわいとして、サナからタオルを取る振りをして、サナの腕を掴んだ。

オレの意図を察したサナは必死に振りほどこうとじたばたするも、単純な力比べで勝てるはずもなく、無意味な抵抗をやめた。

「わかったわよ、わかったから放してよ」

「そう言って、放したらまた布団に潜るんだろ」

また、籠城されたらたまったもんじゃないとオレはなかなか放さない。

「痛い、痛いから」と、目尻に涙を浮かべながら懇願するサナ。その表情を見て、咄嗟に力を抜いた。

「べーっ」

舌を出して演技だよってオレに知らせるサナはオレのベッドに腰を降ろした。布団に潜らなかった事にオレは安堵して、サナの隣に腰を降ろすのだった。