当然、触られたミクも気づかないわけはなく、それなりに感じているようで、ミクの顔が赤く染まっていた。それからミクになにかのスイッチが入ったようでオレに誘惑の言葉を投げかける。

「一緒に家にかえる?」

あからさまの誘いだった。オレはその誘いを無視して、タクシーに押し込むようにしてミクを乗せた。

ミクのタクシーが見えなくなるまでタクシーを見送り、オレは徒歩で家に帰りはじめた。少しだけ勿体ない事をしたかなっという思いが心に少しだけ残っていた。それから遅くなりすぎたので、もうサナは目をさましているだろうということを考えていた。