ミクは一気にカクテルを飲みほしてから、長い視線をオレに向けた。何かを視線だけで伝えようとしているのか、ただ見つめているのかわからなかった。

「でも、このままってわけにはいかないでしょ?」と、ミクは言った。

ずっとサナと一緒に暮らすのも悪くないと考えていた。でも、それは今の関係では無理だと言うことは理解している。サナのことを女性として好きになってしまっている。

「わかってる」そういうとミクは「わかってないよ」と言った。

「あの子とずっと一緒に居たいならアイルはホストを辞めなくちゃいけないんだよ、そんなこと出来るの?」

すぐに答えがでるような事ではなかった。返す言葉も浮かばなくて、ミクの質問に無言を決め込むしかなかった。