《一週間におよぶ祭り戦争は日本全国でおよそ千人の犠牲者を出しました。
これから犠牲者の名前をあいうえお順でお伝えします――》
テレビから聞こえるロボットの声。


「桜子がいないと後片付けが大変だな」


修哉は祭りが荒らして行った室内を見てため息を吐き出す。


「でも、こうやって水神祭は自分たちの仲間を探し出して帰っていくんだ。そうすればきっと、大雨が大地を濡らし砂漠化が止まるだろう」


2人は廃墟のように荒れた家で、何十年ぶりかに曇り始めた空を見上げた――。