「修哉……」


桜子は黙って話を聞いていて修哉のほうへ向いた。


この短時間ですべてを受け入れることなんて無理なハズなのに、その表情には悲しみの色が浮かんでいた。


「ずっと、一緒にいられると思ってた」


「俺だって……」


「これ、大事に持っててね」


大昔の自分とおばあさんが映った写真を、修哉の手に握らせる。


私がここにいた証も、おばあさんがここにいた証も、ちゃんともっていて、忘れないで。


だけど、私は死ぬワケじゃない。


元の姿に戻るだけ。


だから、泣かないで。


悲しまないで。