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また、祭りの夢を見ていた。


前と同じ自分は小さな女の子で、ダンジリが通り過ぎるのを見おくった。


金魚の目がそれた瞬間、パンッと音を立ててヨーヨーが割れ水しぶきがあがった。


小さなまぁるい水の玉がスローモーションでコンクリートへ落ちていく。


「あ……」


普段なら気にも止めない水。


その水に、思わず手を伸ばしていた。


小さな水の中にうつる、ダンジリの金魚がやっぱりこちらをみていたのだ。


それはまるで水槽に入れられている金魚のように見えて、咄嗟に助けようと思ったのだ。


身をかがめて手のひらに水を受けると、パシャッと小さな音を上げて手の上ではじけた。


水……水……水。


触れた瞬間感じる、なつかしい感覚。


思い出せないけれど、遠く昔にこんなことがあったような気がしてならない。