桜子は頷きながら、眠くなる頭を必死で起こしていた。


眠っている間に祭り戦争がはじまり、自分自身が知らぬ間にシェルターを出て行ってしまうんじゃないか。


という不安があって、素直に眠ることができなかった。


「桜子、眠いなら寝ればいいよ」


「いいえ、大丈夫よ」


「でも、さっき薬を飲んだろう? きっと眠いはずだ」


「でも……」


言いながらも、現実から遠ざかっていく。


「ここはシェルターの中だ。心配せずにゆっくり眠るといいよ」


修哉の言葉が子守唄のようになり、桜子は完全に目を閉じたのだった――。