簡単なことだ。


一週間暮らせるくらいの準備はしてあるし、戦争中は学校も会社も休みになるし、不便なことは何一つない。


しかし、桜子の心はざわついていた。


今年の祭り戦争はなにかが違う。


今までに感じたことのない恐怖とざわめきに包まれている。


けれどそれは誰もが感じていることではなく、桜子の身にだけ起こっている異変だった。


祭り戦争が変わったのではなく、桜子がかわったのだ。


「ほら、これをお飲み」


おじいさんが差し出してくれたのは、ドクターからもらったジュースだった。


「ありがとう」


薬で気分を落ち着かせれるのなら、それに頼りたい気分だった。


桜子は甘いジュースを一気に飲み干して、息を吐き出し、ソファに身を沈めた。


ドクターのくれる薬は即効性がある。