1人落ち着かないように部屋の中をうろうろしていた桜子を、おじいさんが手招きした。


2人ともやけに落ち着いていて、さっきから談笑をしている。


「なんだか気分がソワソワするわ」


「あと数時間で戦争が始まるんだ。落ち着かなくて当然だ」


「でも、桜子は怖がりすぎだけどな」


そう言って、修哉は笑った。


「ねぇ、今回の戦争はどれだけ犠牲者を出すのかしら」


「さぁ……。シェルターの中に入っていれば安全だから、そんなに被害はでないハズだよ。ごくたまに、シェルターから出たやつが巻き込まれるくらいさ」


修哉はヒョイッと肩をすくめ、「最も、そんなヤツこの家にはいないけど」と、付け足した。


「そうよね」


シェルターから出なければいい。