あれはいったいどんな味なんだろう?


夢の中で食べた時は、甘くて、ほっぺがジンジンした。


きっと、実際に食べればもっともっとおいしいハズだ。


「桜子、聞いてる?」


「えぇ、聞いてるわよ。いい子ね、その子」


嫌味ではなく素直にそう言ったのに、修哉はニヤリと笑って「もしかして焼きもちかい?」と言ってきた。


そんな事ないわ。


と言いかけたが言葉を飲み込み、「そうね」と、微笑んだ。


修哉は、いつだって自分を一番に考えていてほしいと思っている人なんだ。


桜子が焼きもちをやくと、修哉は嬉しがる。


「心配するなよ。俺は桜子が一番だからさ」


林檎飴って、たとえばこんなキスよりも甘いんだろうか……。