荷物を運ぶのは単調で、しかし大変な作業だった。


必要なものはすべてロボットやコンピューター内に納められているため、それごと運ばなければならないのだ。


昔みたいに置き場に困るということはなくなったが、いざ移動しようという時には困ってしまう。


どんどんコンパクトなロボットが出ているようだけれど、この家を建てるために買うのを我慢していたので家には古くて大きなものしかない。


「この中のものはメモリーカードに移し変えよう。テレビの中のデータはそのまま地下へ転送して、それから――」


そんな事をしているとあっという間に一日が過ぎていく。


2人で作業を続けている間、修哉は新しく入った女子社員のことばかりを話していた。


とにかくすごくよく働いて、気がきいて、今時いないような女の子なんだとか。


桜子はその話しを聞きながらも、頭の中にはキラキラと輝く林檎飴が存在した。