「ねぇ、もうやめて。元に戻して」


「桜子、この手紙はどこから来た?」


「どこからって……わからないわ。伝書鳩は何もいわなかったから」


「違うよ。こういう手紙は封筒に送り先なんかが書いてあるんだ」


そう言って、修哉は私の持っている封筒を指差した。


え――?


「昔のことが好きなくせに、手紙のことにはうといんだな」


スッと手から封筒を取った修哉は「おかしいな、ここにも書いてない」と、呟いた。


「不思議だな」


「なにが? ねぇ、それ何の手紙だったの? また祭りのこと?」


不安で不安でそう訊ねると、修哉は小さく首をふって桜子の言葉を否定した。


「見てみるかい?」


「えぇ……。でも、怖いわ。なんなのそれ」


「見ればわかるよ」


そう言って差し出された手紙を見ると――。


「写真……?」


その紙は手紙ではなく、昔ながらの写真であることがわかった。